【プロパンガスと都市ガスの違い】料金・特徴・選び方を比較
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引越し先を探す時に「都市ガス」「プロパンガス(LPガス)」という表記を目にしますが、両者の違いを正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。プロパンガスは都市ガスの約1.5〜2倍の料金がかかるため、引越し先のガスの種類は光熱費に大きく影響します。この記事では、プロパンガスと都市ガスの料金・特徴・メリットデメリットを比較し、引越し時に確認すべきポイントを解説します。
この記事の結論
- プロパンガスは都市ガスの約1.5〜2倍の料金
- プロパンガスは火力が強い(熱量が約2.2倍)のが特徴
- 都市ガスは都市部中心に供給、プロパンガスは全国で利用可能
- 賃貸のプロパンガス会社変更は基本的にできない(大家の権限)
- 引越し時はガスの種類を必ず事前確認(器具の互換性なし)
プロパンガスと都市ガスの基本的な違い
プロパンガスと都市ガスは、原料・供給方法・熱量・料金体系などさまざまな点で異なります。
| 比較項目 | プロパンガス(LPガス) | 都市ガス |
|---|---|---|
| 原料 | プロパン・ブタン(液化石油ガス) | メタン(天然ガス) |
| 供給方法 | ガスボンベで各家庭に配送 | 地下のガス導管で供給 |
| 熱量 | 約24,000kcal/m3 | 約11,000kcal/m3 |
| 重さ | 空気より重い(床にたまる) | 空気より軽い(上に昇る) |
| 料金 | 自由料金(会社により異なる) | 認可料金〜自由料金 |
| 供給エリア | 全国(ボンベ配送可能な場所) | 都市部中心(導管が通っている地域) |
| ガス器具 | LPガス専用器具 | 都市ガス(12A・13A)専用器具 |
| 災害時の復旧 | 比較的早い(個別供給のため) | 時間がかかる(導管の点検が必要) |
重要:プロパンガス用と都市ガス用のガス器具には互換性がありません。引越しでガスの種類が変わる場合は、ガスコンロ・給湯器などをすべて買い替えるか、業者に改造してもらう必要があります。
料金の比較
プロパンガスと都市ガスの最大の違いは料金です。同じ使用量(m3)で比較すると、プロパンガスは都市ガスの約1.5〜2倍の料金がかかります。
月額料金の比較(世帯別目安)
| 世帯 | 都市ガス(月額) | プロパンガス(月額) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 約3,000〜4,000円 | 約5,000〜7,000円 | 約2,000〜3,000円 |
| 二人暮らし | 約4,000〜5,500円 | 約7,000〜9,000円 | 約3,000〜3,500円 |
| 3〜4人家族 | 約5,000〜7,000円 | 約8,000〜12,000円 | 約3,000〜5,000円 |
料金の構成
| 項目 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 基本料金 | 約750〜1,000円/月 | 約1,500〜2,000円/月 |
| 従量料金(1m3あたり) | 約130〜160円 | 約300〜600円 |
なぜプロパンガスは高い?プロパンガスが高い主な理由は、①ボンベの配送コストがかかる、②料金が自由設定のため競争が働きにくい、③集合住宅では大家とガス会社の契約が優先されるため値下げ圧力が弱い、などがあります。
プロパンガスのメリット・デメリット
プロパンガスのメリット
- 全国どこでも利用できる
- 火力が強い(熱量が都市ガスの約2.2倍)
- 災害時の復旧が早い(個別供給のため)
- 初期工事費が安い(ガス導管の引き込み不要)
- ガス会社を選べる(戸建ての場合)
プロパンガスのデメリット
- 料金が都市ガスの約1.5〜2倍
- 料金が不透明(会社によって大きく異なる)
- 賃貸ではガス会社を変更できない
- ボンベの設置スペースが必要
- 空気より重いため、ガス漏れ時に床にたまりやすい
都市ガスのメリット・デメリット
都市ガスのメリット
- 料金が安い(プロパンの半額〜7割程度)
- 料金体系が明確で比較しやすい
- 2017年のガス自由化でさらに選択肢が増えた
- ボンベの設置スペースが不要
- 空気より軽いため、ガス漏れ時の安全性が高い
都市ガスのデメリット
- 供給エリアが都市部に限られる
- 導管工事が必要で初期費用が高い(新規引き込みの場合)
- 災害時の復旧に時間がかかる
- 火力がプロパンより弱い
供給エリアの違い
都市ガスは都市部を中心に供給されており、地下にガス導管が通っている地域でのみ利用できます。一方、プロパンガスはボンベを配送するため全国どこでも利用可能です。
| 地域 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 都市部(東京23区・大阪市内など) | ほぼ全域で利用可能 | 利用可能だが少ない |
| 郊外・住宅地 | エリアによる | 広く利用されている |
| 地方・山間部 | 供給されていない地域が多い | 主流 |
全国の世帯のうち、都市ガスを使用しているのは約55%、プロパンガスは約40%、残りがオール電化などです。
引越し時の確認ポイント
引越しの際は、ガスの種類に関して以下のポイントを確認しましょう。
引越し前の確認事項
- 引越し先のガスの種類を確認:都市ガスかプロパンガスか、不動産会社・管理会社に確認
- ガス器具の互換性を確認:ガスの種類が変わる場合、コンロなどの買い替えが必要
- ガス開栓の手続き:引越し先のガス会社に開栓の申込み(立ち会いが必要)
- 現在のガスの閉栓手続き:退去前にガス会社に閉栓の連絡
- プロパンガスの場合は料金を確認:会社によって料金が大きく異なる
ガス開栓の手続きについて詳しくはガス開栓ガイドをご覧ください。引越し時の電気・ガス・水道のチェックリストは引越しチェックリストで確認できます。
プロパンガスから都市ガスへの切り替え
戸建て住宅で都市ガスの供給エリア内であれば、プロパンガスから都市ガスに切り替えることが可能です。
切り替えに必要な費用
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| ガス導管の引き込み工事 | 約10〜20万円 |
| ガス器具の買い替え(コンロ・給湯器) | 約5〜30万円 |
| プロパンガス会社への解約費用 | 0〜数万円(契約による) |
費用回収の目安:切り替え費用が合計20〜30万円の場合、プロパンと都市ガスの月額差が3,000〜5,000円とすると、約4〜8年で費用を回収できる計算です。長く住む予定がある場合は切り替えを検討する価値があります。
賃貸でのガス会社変更
賃貸物件のプロパンガス会社はオーナー(大家)が決定権を持っているため、入居者が自由に変更することは基本的にできません。
賃貸でできること
- 大家・管理会社への相談:ガス代が高い旨を伝え、ガス会社の変更を提案する
- 料金の交渉:ガス会社に直接値下げ交渉をする(まれに対応してもらえる)
- 使用量の節約:節水シャワーヘッドの導入、給湯温度の見直し、追い焚き回数の削減
- 次の引越し時に都市ガス物件を選ぶ:物件選びの段階でガスの種類を確認
プロパンガスの料金を安くする方法
プロパンガスの料金が高いと感じたら、以下の方法を試してみてください。
1. ガス会社の変更(戸建ての場合)
戸建て住宅であれば、プロパンガス会社は自由に選べます。複数の会社から見積もりを取り、料金の安い会社に切り替えることで月数千円の節約が可能です。
2. 使用量を減らす工夫
- 節水シャワーヘッドに交換する(ガス代・水道代の両方を節約)
- お風呂の追い焚き回数を減らす(家族が続けて入浴する)
- 給湯温度を下げる(夏場は低めに設定)
- 食器洗いはため洗いにする(流しっぱなしを避ける)
3. 電気とのバランスを考える
ガス代が非常に高い場合は、電気で代替できるものは電気にする(電気ケトル・IH卓上コンロの活用など)ことで、トータルの光熱費を抑えられる場合があります。オール電化への切り替えも選択肢の一つです。オール電化の電気代についてはオール電化の電気代平均と節約のコツで解説しています。
よくある質問
Q: プロパンガスと都市ガスはどちらが安い?
A: 都市ガスの方が安いです。プロパンガスは都市ガスの約1.5〜2倍の料金です。熱量の違いを考慮しても、都市ガスの方が約1.3〜1.7倍安くなります。
Q: プロパンガスから都市ガスに切り替えられる?
A: 都市ガスの供給エリア内であれば可能です。ガス導管の引き込み工事(約10〜20万円)とガス器具の交換が必要です。賃貸の場合は大家の許可が必要で、実際には難しいケースが多いです。
Q: 引越し先のガスの種類はどう確認する?
A: 不動産会社・管理会社に確認するのが確実です。現地では建物外にガスボンベがあればプロパン、なければ都市ガスと判断できます。
Q: プロパンガスの料金を安くする方法は?
A: 戸建てならガス会社の変更が最も効果的です。賃貸の場合は大家に相談するか、節水シャワーヘッドの導入や追い焚き回数の削減など使用量の節約に取り組みましょう。
Q: 賃貸でプロパンガスの会社を変更できる?
A: 基本的にできません。ガス会社の選択権はオーナー(大家)にあります。ガス代が高い場合は、大家・管理会社に相談するか、次の引越し時に都市ガス物件を選ぶことをおすすめします。
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